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らぶあど encore!
第22章 思いがけぬ邂逅


透は少し照れてしまい頭をかき、へどもどしてしまう。

景子はそんな透を見てクスリと笑い、透もつられて笑った。


「――景子!
いつまで油を売ってるのさ!
もう此処には用はないよ!
さっさと来なさい!」



鋭い怒鳴り声が外から聞こえ、景子の顔からすうっと、笑顔が消えた。



「……じゃあ、行きます……
ありがとうございました」



お辞儀をして出て行ってしまう景子を、透は立ち上がり追い掛けそうになったが、差し出したその手が空を掴み、やがて膝の上に降りる。



何か、不吉な予感が透を不安にさせた。


そして、それ以来景子が洋平を連れて病院へ来ることはなく、透への連絡もないまま月日は過ぎ、やがて透は総合病院での研修を終え、他の幾つかの病院に勤務した後、小児科と産婦人科のこの医院を開業したのだ。
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