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らぶあど encore!
第22章 思いがけぬ邂逅
あの時、もっと他に何か掛ける言葉や自分に出来る事もあったのかも知れないが、自分は未熟な研修医に過ぎず、景子と洋平は数多くいる患者の中の一組の親子というだけなのだ。
その距離を飛び越して患者と関わっていたら身が持たない――
そう自分に言い聞かせながら、研修や毎日の激務をこなして歳月は過ぎたが――
何故か、景子達の事を忘れる事がなかった。
いつか何処かでまた会うような予感があったのだろうか。
まさかほなみの繋がりから再会するとは……
透の中に当時のさまざまな思い出が去来する中、ほなみが、表情を暗くしてしまった彼女を心配するように見詰めていた。
それを見て透は、景子の身に何があったのかは分からないが、こうして彼女を気に掛ける人物がいるという事に少し安心を覚えた。
「いや~しかし、世間は狭いですね~
この分だと、僕の元カノがこの病院に来て……
なんて偶然もあるかもわかりませんね!!」
透は、言葉に詰まったまま下を向いてしまった景子を気にして話題を切り替えようとしたが、景子が掠れた声で話し始める。