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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
いつの間にかライヴ本編は終わり、客の歓声が飛び交う中、史とメンバー達はステージ横へとはけた。
タオルを頭に乗せて、史は真っ先にほなみの元へとやって来た。
しかも、小走りをして。
ほなみは椅子から立ち上がり、拍手をして史とメンバーに声を掛ける。
「……た」
「ん?何?」
ほなみの声が歓声に掻き消され、史は身を屈めてほなみの口に耳を近付ける。
ほなみは手を添えて彼に何かを言い、史はそれを聞いて嬉しそうに声を上げて笑った。
景子はその光景を目の前で見て、唇を噛んで拳を強く握った。
――落ち着くの、落ち着くのよ景子……
ほなみを信用させて、罠に掛けるのには、史の誘惑に乗って貰わなくては話にならないんだから……
そう言い聞かせるが、焼ける様な嫉妬は自分の身を焦がしてしまいそうで、悲鳴を上げてしまいそうだった。