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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
景子は不意に後ろから肩を掴まれ振り向くと、史が虎のような鋭い目をかつて無い程に輝かせてる。
史は景子の肩をポンポンと叩きながら、時田と鈴置に檄を飛ばした。
「お前ら、油を売るのはそこまでだ!
アンコール、行くぞ!」
「えっえ――!?」
時田は本気で驚き叫ぶが、鈴置は表情を変えずに頷き、ステイッキをクルクル回しながらステージに向かう。
「おっおい……護!まだ打ち合わせも何も」
「護なら大丈夫さ、何の曲をやるのかもその場の俺の要求を直ぐに呑んでプレイするからな……ほら、もうあいつ、始めてるぜ」
景子と時田は、ドラムが烈しいリズムを刻み観客が熱狂するのを聞いて息を呑む。
史は満足げに頷き目を細めた。
「でもさ……何でまたやる気になったんだよ」
「時田、つべこべ言わずにやるぞ。
それともお前……演目に無いアンコールをする自信が無いのか?」
「――!ん、んな訳無いだろ!なんだって弾いてやらあ!」
史はフフ、と笑って景子の頭をポン、と叩き、時田と共にステージに向かっていった。