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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ



ほなみは胸の前で手を組み、史がMCをするのを観ながらしみじみ言った。



「……才能のある人だから、何かきっかけさえあればスターになれると思うけど……
って、なんだか私、上から目線だね」



景子は、ほなみの称賛を、自分の事の様に誇らしく思った。

史は、人格的にはともかく、人の才能を見出だすのに長けていて、また自分の魅力をよく知っていた。

彼は手当たり次第に言い寄ってくるファンに手を出す訳ではなかった。

音楽関係者のツテがあるだとか、芸能界と繋がりのある女には、徹底的に優しく紳士に振る舞い、彼女らを夢中にさせた。

だが利用価値が無い、と史が判断した時や、女の方が史に対して『恋人としての誠意』を求める様になると、彼はバッサリと彼女らを切り捨てた。

だが、彼はバンドの楽曲やライヴの完成度に妥協を一切許さない。

今まで、史の要求に着いてこれるメンバーはなかなか居なかったのだ。

デビューのオファーも無いわけでは無かったが、史が自分の思う条件を譲らないために、何度も暗礁に乗り上げてしまったのだった。



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