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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
あぐりとカナが臥せっているマンションには帰れない。
連絡などしてしまったら、心配をかけるだけだろう。
景子の言う様に、何処かホテルでも泊まるしか無いのだろうか、とほなみは途方に暮れる。
景子に連絡しても、取り合って貰えないだろうか。
あの取り乱した様子だと、落ち着くまでには少し時間が掛かるかも知れない。
振り払われた手を見詰め、ほなみの胸が少し痛んだ。
最初は意地悪で取っ付きにくい印象でしか無かったが、彼女の色んな面を知るうちに、仲良くなれるかも知れない、と思っていたのに。
そう思っていたのは自分だけだったのだろうか?
ほなみは、ふと視線を感じ顔を上げると、史が歌いながらこちらを見ているのに気付く。
彼の表情が怒っている様に見え、ほなみは戸惑った。