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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
史は、最後のフレーズを歌い終えると、ギターを乱暴にステージに置き、肩をいからせてステージからはけてしまった。
時田は仰天し、ベースを刻みながら史に向かって何かを言うが、鈴置は平然とした風で淡々とドラムを叩く。
「史――!」
「史さん――戻ってきて――!」
「史――!愛してる――!」
黄色い悲鳴が次々と上がる中、史はそれが耳に届いていない様に真っ直ぐにほなみの方へやって来て、いきなり彼女の腕を掴んだ。
痛みに顔をしかめるほなみに、史は顔を近付けて凄む。
「おい……何で……俺の歌を聴いてないんだよ」
「……あ……明智……さん?」
「お前、全然聴いてなかっただろ!俺のバラード!」
「ご……ごめんなさ……でも」
「お前の為に歌ったんだぞ!お前に聴かせる為にアンコールをやったんだぞ!!」
史は激昂し、ほなみを強引に抱きかかえた。
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