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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
史は、無垢な眼差しで見詰めてくるほなみを前に大いに困惑していた。
――何故、この女の言う通りに俺は謝ったり、馬鹿みたいに指切りなんてしているんだろうか。
笑いかけて甘い言葉を囁けば、大概の女は墜ちて思うままになる。
ほなみは岸智也と結婚していて何不自由ない生活をしていたのに、祐樹に言い寄られて奴に惚れて、その身体に赤ん坊まで仕込んで祐樹と一緒になった。
つまり、この女はミュージシャンに弱い筈だ、と史は思っていた。
その手の女は雰囲気に流されやすく、甘い歌詞のラヴソングを弾き語りなぞすれば忽ち目を潤ませて、身体を開く。
てっきりほなみもそう言う女なのだと思っていたのに、いざ誘惑しようとすれば、全く思う通りに事が運ばない。
従順な様でいて芯が強くて、脆そうに見えてとてつもなく頑固で――