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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ
「大体お前、何で泣いてたんだよ……俺の歌に感動してとかじゃないんだろ?」
史は、気になって問い質す。
ほなみはその瞬間鮮やかに頬を染めたと思うと、瞳を揺らして目を臥せた。
その仕草は何とも云えず愛らしく、不思議な妖艶さがあった。
史は思わず喉を鳴らし彼女を見る。
ほなみはゆっくりと、言葉を選ぶように話し出した。
「……明智さんの歌が素敵で感動してたのは本当です……けれど」
「けれど?」
史は、気付けば身を乗り出して食い気味にほなみに次を促していた。
ほなみは、彼を上目遣いで見て小さく言った。
「……西君……私の、旦那様と、初めて逢った時を思い出したの……
明智さんの曲を聴いていたら…
初めて逢ったのは……ライヴだったから……」
「――」
ほなみの口から祐樹の名前が飛び出し、史は顔を強張らせた。