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らぶあど encore!
第23章 秘密のライヴ



ほなみは、史が狼狽えた表情を見てクスリと笑ってこう付け加える。



「うちの旦那様には敵わないけれどね」



――うちの旦那様、と自分で口にして照れてしまう。

彼の事をそう呼ぶ事が出来るのは、私だけなんだ、と思うと擽ったいような幸福感で泣きたくなる。

史は、またほなみが涙ぐむのを見てオドオドする。



「お、おい……大丈夫か、お腹が痛いとかじゃないのか?」

「大丈夫……ねえ、明智さん」

「な、なんだよ」



ほなみは目尻を指で拭うと史を真っ直ぐな瞳で見詰める。

史は気圧された様に硬直している。



「お願い、ステージに戻ってあげて……待ってる人が沢山居るわ」

「……もう……誰も居ないんじゃないか……流石に」



史は溜め息を吐き、今更ながら少し後悔していた。

いつも自分の気紛れに付き合ってくれている時田や鈴置、ファン達も今日という今日は愛想が尽きたのではないか?



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