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らぶあど encore!
第24章 長い夜



『それでねえ、綾波君に接触して欲しいバンドがあるのよ』

「……どんなバンドなんですか?」

『私が見に行けたら良かったんだけどねえ……今何かと忙しいし、私が行くと目立つじゃない。
今夜○○区のZーSPACEって言う所でのライヴをちょっと覗いてきて欲しいのよ』

「ああ……あそこですか……て、三広、亮介っ、いい加減にせんか!」



電話中の綾波の脇を擽り始めた二人に向かって、彼は目を吊り上げて怒鳴った。

志村は察したようにクスクス笑っている。



『風の噂でねえ、熱狂的なファンを持つアマチュアバンドがいるって聞いてねえ、それに、なんと言ってもボーカルの子が滅茶苦茶いい男なんですって――!』

「……そうなんですか」


綾波は呆れながら、じゃれてまとわりついてくる二人の頭を拳骨で殴る。

二人は大袈裟な悲鳴を上げた。


「ぎゃ――綾ちゃんと遊びたかっただけなのに叩かれた――」

「綾ちゃんのケチ――!いけず――!」

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