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らぶあど encore!
第24章 長い夜
「けーちゃん‼」
亮介は叫ぶが、人々のざわめきに掻き消され、彼女の耳には届いていないようだ。
景子の虚ろな瞳には光が宿らないままだ。
「……っ」
思わず舌打ちする亮介は、全力で走るが、信号に阻まれる。
あと数メートル程の距離なのだが、とてつもなく遠くに感じてしまい、焦れったさに踵を踏み鳴らす。
すると、景子はふらり、と宙を見詰めたままで赤信号にも構わずに歩き出した。
「――危ないっ」
遠くから見ていた三広が叫び、辺りから悲鳴が上がる。
亮介は考えるよりも先に飛び出していた。