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らぶあど encore!
第25章 長い夜②
史は、ソファに寝ていたが身体を起こし、黙々とチューニングする鈴置に言う。
「……世話をかけたな……お前ももう帰っていいぞ」
壁の時計を見ると、日付が変わろうとする時刻だった。
鈴置は普段会社勤めをしている。そろそろ帰らないと明日キツいだろう、と思ったのだ。
だが鈴置はニコリともせずに答えた。
「いえ、ライヴハウスのオーナーも今夜ここに泊まるのを許可してくれたし、俺も一度帰るよりはここで寝る方が楽なんで」
「……そうか……なら好きにしろ」
史は、痛む頬にタオルをあて、ほなみを連れていった男の顔を思い、憎々しげに眉を寄せて呟く。
「――にしてもチクショー……あいつ……」