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らぶあど encore!
第25章 長い夜②


祐樹と出会う前のほなみなら、史の冗談とも本気とも付かない言葉や眼差しに振り回されてしまったかも知れない。

それほどに彼は悪魔的な魅力に満ちていた。

だが、ほなみは祐樹の恋人であり妻であり、彼の子供を宿す母でもあるのだ。

その事実以上に大切で重要な事などない――そうほなみは思っている。

今夜は羽目を外し過ぎてしまったのかも知れない、とほなみは少しの罪悪感を覚えていた。

後ろ暗い事や疚しい事などない、と誓って言えるが、史に抱き上げられてしまったり、頬に触れられて囁かれたり、彼が本気で無いにしても――

もしも綾波でなく祐樹があの場面を見たらなんと思うだろうか?



ほなみは、自分の行動を思い出すにつれ、胸が痛みだす。



「――痛っ……」



本当に痛くなってきて、顔をしかめていると、いつの間にか立ち止まった綾波が心配そうにほなみを覗き込んでいた。

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