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らぶあど encore!
第25章 長い夜②
ほなみは、今夜は何処へ行ったら良いのだろう、と再び不安になる。
景子には連絡出来ないし、志村のマンションにも行けない。
その表情が翳るのを綾波は見逃さない。
鋭い目を向け、詰問するようにほなみに言う。
「色々と腑に落ちないんだが……まず……お前は何故あそこにいたんだ?しかも一人で……それに、あの男と随分親しげだったが」
「――それは」
ほなみは何か言おうと口を開くが、何を言ったら良いのか分からずまた口をつぐむ。
景子の事にしても、正直に言ってしまったら、景子の立場が悪くなりはしないだろうか、と心配になったのだ。
だが綾波はほなみのそんな葛藤を見透かすかの様に薄く笑った。
「――北森さんを庇って何も言えんのか?……お前は本当にお人好しだな」
「……あ……綾波さん」
言い当てられ狼狽するほなみを真っ直ぐに見据えた綾波は、低い声でキッパリ言う。
「……お前は……人が良くて無防備過ぎるぞ」
叱られている子供の様に、ほなみは彼の眼光に身を縮め、彼もまたそんなほなみの様子に少し笑った。