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らぶあど encore!
第25章 長い夜②
小さな欠伸を押し殺す事ができず、彼の胸の中で小さく息を吐くと、大きな手が髪を撫でてきた。
「……よしよし……もう、知らない場所へヒョロヒョロと出掛けたりしたらダメだぞ……
俺が助けなけりゃ、今頃あの男に喰われてたぞ」
「……く……喰われ……あふ……」
ほなみは綾波のユーモラスな口調に少し笑いながらまた小さな欠伸をしてしまう。
もし祐樹がこんな場面を見たら烈火の如く怒るに違いない。でも、ほなみは祐樹に似た彼の声と胸に癒されるのを感じていた。
「冗談じゃなくてだな……本当に気を付けろ……いや、お前には気を付けろ、じゃなくて、一切出歩くな、とでも言ったほうが丁度かもな」
「な……そんなの……無理です」
ほなみはクスリと笑って彼を見上げると、切れ長の瞳が優しい光を帯びて見下ろしている。