この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
らぶあど encore!
第25章 長い夜②
小さな疑念を持ちながらも、実行に移さなかったのは、景子の一生懸命さと、亮介の彼女への一途な想い故にだった。
亮介は人好きのする男だが、一人の女に執着するのは珍しい事だった。
デビューした後も何人かと交際をしてはいたようだが、淡白な付き合いに見えた。
浮気などをするタイプではないし、誠意をもって付き合いはするのだが、我を忘れる程の恋情に苛まれる、という事には無縁だったようで、相手が少しでも褪めたようなそぶりをすると、いち早く彼はそれを察し、自分の方から別れる方向に持っていったのだ。
だが今の亮介の瞳は、本気で恋する男そのものだった。
綾波には、彼の景子への抑えきれない恋情が手に取るように分かる。
祐樹がほなみに出会い夢中になった瞬間の瞳と同じ色が亮介の瞳にも沈んでいる。