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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
「……一枚のアルバムを出すのにでも、ツアーを計画するにでも、どれだけ沢山のスタッフが関わってると思うのか……
それに……クレッシェンドの音楽を楽しみにしているファンの存在は重いぞ……」
「――っ」
景子は何も返す事も出来ずに涙をはらはらと流す。
三広は景子の様子を見て、綾波の胸ぐらを掴み怒鳴った。
「そんな事はわかってるよ!確かに景子ちゃんが謝っても何も解決しないかも知れない……
でもさ……景子ちゃんを今そんな風に責めたって……何にもならないよ!」
綾波は、涙が残る目で睨む三広を見て微笑み、小さく呟いた。
「ふふ……久し振りに……いい顔を見せてくれるな、三広……お前の泣いた顔がそそるんだよ」
「――っ!」
三広が真っ赤になって、綾波に殴りかかろうと拳を振り上げた瞬間、ベッドで眠っていた亮介が大きなくしゃみをし、皆は彼を振り返った。
「亮介君……!」
「亮介――!」
景子と三広が同時に叫んだ。