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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
亮介は、ビックリした様に目をパチパチさせるが景子の姿を認めると輝く笑みが顔に広がった。
「けーちゃん……」
「亮介君……っ」
景子は、亮介の側に駆け寄ってその胸の中へと飛び込んだが、亮介は鳩が豆鉄砲を喰らった顔――と言うのはこんな風ではないのか、と思える程にビックリしている。
景子は彼の胸にしがみつき、わんわん泣いた。
亮介が目を覚ました安堵も勿論あるが、先程まで綾波に厳しく責められた時に感じたやるせなさや、自分自身への情けなさもあいまって、より烈しく泣き出してしまう。
どんな風に詰られても叱責されても当然だと思った。だが、許されるのなら、今この時だけは亮介の太陽のようなおおらかな優しさに甘えたい。
(私は……卑怯だわ……この人達を騙しているのに、なのに、出来るならこのまま此処に留まりたいと願うなんて……)
景子は大きな亮介の胸の温かさを感じながら、自分の罪深さを思った。