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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
「――ほれ」
綾波はまるで予想していたかの様に、何処から出したのか大判のタオルで三広の頭をくるみガシッと抱える。
「むぐぐぐ……むきゅーっ!綾ひゃん……くるじー!」
タオルに巻かれたまま喚く三広の頭を抱えこみ、綾波は景子を抱き締めたままの亮介を見て溜め息混じりに言う。
「……まあ……思ったよりも元気そうで良かったが……
今夜はゆっくり休め。今後の事はまた追って対応を考える……
お前はとにかく怪我を治す事に集中しろよ」
「は、はいっ」
亮介の返事に綾波は苦笑いすると三広の肩を抱いて部屋のドアを手に掛けたが、景子の後ろ姿に向かって静かに言った。
「――北森さんには、またゆっくりと話を伺いたい……そのつもりでいてくれ」
「……っ」
景子の背中が大きく震え、亮介は彼女を更に自分の胸に引き寄せた。
「綾ちゃん……けーちゃんは悪くないよ、俺が」
「――お前が全く悪くないなどと、誰が言った」
「……!」
綾波の言葉に亮介は絶句する。