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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
「亮介君――?」
景子がその横顔に呼び掛けるが、彼はまた耳朶まで赤く染めて、これ以上曲がらないという程に首を捻って顔を背ける。
逞しい首に透ける太い血管が不意にセクシーに見えて、景子は思わず指で触れたが、亮介は声を裏返して叫んで飛び退きバランスを崩してベッドから落ちそうになる。
「あ……あぶなっ」
景子が抱きつく体勢で、彼が頭から落下するのを何とか阻止するが、またお経を唱えている。
「亮介君たら――」
彼の顔を覗き込もうとすればまた避けられるようにそっぽを向かれてしまう。
先程、あんなに熱く見詰めてきて唇に触れたのに――景子は焦れ、少し苛立ちを声に滲ませる。
「もうっ……何なのよ!神田亮介っ!私を見なさい――!」
「は……はいいっ」
亮介は身体中をビクンと震わせ、反射的に背筋を伸ばして景子を振り返った。