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らぶあど encore!
第26章 長い夜③
悪戯を見付かり母親に叱られた子供の様に本気で怯える亮介を見て、景子は可笑しくなってきてしまった。
笑ってはいけないと我慢しながら込み上げる笑いが彼女の唇を歪め、限界まで膨らんだ頬ははぜる一歩手前だった。
それでも無理矢理低い声を出して、彼を脅すように言う。
笑いを噛み殺している故の声の途切れが迫力を添えている。
「……わ……私……が好き……て言ってるのに……意気地無しねっ……」
笑っている顔を見せないように、うつむいて彼を見ないようにしていたら、亮介は景子が静かに怒っているのだと震え上がり、必死に許しをこう。
「ご……ごめんなさいっ……す……凄く今けーちゃんにキスしたいんだけどっ……で……でも……
これ以上はまずいんだよ……っ……お……俺の我慢が決壊して大変な事に……っ……
こんな場所で……その……けーちゃんに不埒な事をするわけには……っ」
「不埒って」
景子の我慢はもう本当に限界だった。
笑いが漏れそうな口元を両手で押さえて身体を前に屈めて必死に呼吸を整えようとする。