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らぶあど encore!
第27章 長い夜④


「……だからさ……お前もビシッと、言っちゃえばいいんだって」




鈴を転がすような笑い声と共に語る彼の声が、ほなみをその場から身動きさせなくした。



「いや……俺もビシッとしたつもりだったんだけど……ふああ」



眠そうな気だるげな野村の声がすると、電話の向こうであぐりが反応した。



『え……ぼなび……あんだ、今どごにいるぼ?野村ぐんの声が』

「ごめん……なんか……電波が良くないみたい、後で」



早口で言いながら電話を切った時、野村の肩を小突きながら歩いてくる祐樹とあと数メートルの所で目が合って、ほなみは一瞬にして頬を真っ赤に染める。

野村の肩から手を離した祐樹は、ほなみを見て二、三度瞬きをした。

どうして良いかわからないほなみは、電話を手にその場に立ち尽くす。

自分の恋人なのに、夫なのに、駆け寄って声をかける事が自分から出来ない――

我ながらバカみたい、と思うが、ほなみは祐樹に対していちファンの様に緊張していた。

それだけ、久方ぶりに見る彼はある種のオーラを纏っているように感じた。





(……か……カッコいい……)



ドキドキと全身が脈打つのを止められない。








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