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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
「ほなみ……っ」
沢山の思いが、言葉が胸の中に溢れて居るのに、祐樹は今、ほなみの艶やかな髪をかき抱いて、そう呟くしか無かった。
腕の中にすっぽりと収まる彼女は華奢で柔らかく、甘い薫りがする。見上げる瞳が少し赤いのに気付くと、可愛くて堪らなくなり、もっと強く抱き締めてしまいたくなるが、少しふっくらとしてきたお腹を思ってグッと堪えた。
思いもかけずに会えた愛しい恋人を、壊れやすい宝物を扱うように腕で包み込み、髪に鼻先を埋めてまた名前を繰り返し言った。
「ほなみ……ほなみ」
ほなみは、頬も真っ赤にして笑っていた。
その表情につられて祐樹も笑う。
二人は抱き合ったまま暫しその場に留まっていたが、スタッフの何人かが側を通り掛かり、からかい混じりに挨拶され、ほなみが恥ずかしがって離れようとした。
「――ほなみ」
「あっ……」
祐樹は腕からすり抜けようとするほなみを捕まえて唇を素早く奪った。
そのキスで、ほなみは蕩けてしまい、再び祐樹の腕の中へと引き戻されてしまった。