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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
――柑橘のコロン……
西くんの香り……
ほなみは、胸を高鳴らせながら祐樹の胸の中でうっとりと瞼を閉じるが、急に足に力が入らなくなり、崩れそうになった。
「――っと!」
祐樹の腕が素早く抱き留め、ほなみをしっかりと包み込む。
「ごめんね……ありがとう」
ほなみは祐樹に笑いかけ、自分の足で立とうとするが、上手く行かずに祐樹の腕に掴まる。
決まり悪そうに俯き、小さく呟く。
「……いきなり……来て大丈夫だった……?」
「大丈夫に決まってるじゃん」
「……本当に?」
ほなみが顔を上げる前に、祐樹はほなみを抱き上げていた。
その時に、フワリと靡いた長い髪や、大きく瞳を開いた彼女の表情に祐樹は見とれ、溜め息を吐く。