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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
ほなみは困った様に視線をさ迷わせ、遠慮がちに言う。
「お……降ろして……西くん」
「やーだ」
舌を出して言う祐樹にほなみは絶句するが、その瞬間、史にもこうして抱き上げられた事を思い出してしまい、後ろめたさが襲う。
――私……他の男の人に触られてしまったのだった――
いつも西くんには『ほなみは隙だらけで危なっかしい』と言われているけれど、まさかあんな事になるなんて――
偶然街中で史さんと会って、景子ちゃんとライヴを見に行った――ただそれだけの事だけど、綾波さんが来て……
景子ちゃんはどこへいってしまったのか分からないし……綾波さんがどうしてあそこに居たのかも分からないんだったわ……
西くんに……今夜の事を全部話すべきなんだろうか?
でも、どこからどこまで話せばいいのか――
ほなみの瞳が僅かに揺れるのを見て祐樹は眉を上げるが、柔らかく笑うと頬にキスをする。
「……っ」
ほなみの身体の芯が甘く疼いた。