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第27章 長い夜④

「こらあ、その顔!」

「ぶっ」



祐樹は、物思いに沈んだほなみの鼻を指で潰し、不貞腐れた顔をする。



「ほら、あれだろ?……ホルモンのなんとかってやつ」

「――」

「妊娠すると感情豊かになるって言うから……ちょっとした事で泣きたくなったりするとかあるんだろうけど……
俺は今、愛する奥さんに会えてスッゲー嬉しいんだから、ほなみ、そーいう顔をするの禁止!」

「む……むぐっ」



祐樹の長い指はほなみの小鼻をグリグリと押し続ける。



「ほらあ、可愛く笑って!笑って!」

「むぐうっ」

「出来ないとお仕置きだよ――‼」

「むっむむむ」



ほなみは、面白がって鼻を弄る祐樹を真っ赤になって睨み付けた。