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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
「西くん……あの」
あの広いマンションで一人過ごす祐樹を思い浮かべ、胸が詰まって涙ぐみそうになるのは、やはり妊娠中のホルモンの影響なのだろう。だが、それを差し引いてもほなみは祐樹の事が気がかりだった。
祐樹はほなみを抱えたままスタジオから足早に出て、通りを歩く。
人目が気になり、ほなみは彼の腕を軽くつねった。
「西くんったら!恥ずかしいから」
「ねえ、すぐ側にさ、作業の合間によく食べに行く美味しい店があるんだ。ほなみも夕飯まだだろ?」
祐樹はほなみの抗議には耳を貸さずズンズン歩く。
ほなみは諦めて、通行人の視線を避けるように彼の胸に顔を埋めた――