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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
――――――
「ああ――やっぱり家が落ち着くかも……」
食事をした二人は当たり前の様にいつものマンションの部屋へ帰ってきた。
ほなみがいつもするように祐樹の上着をハンガーにかけるが、祐樹がはっとした顔になり首を振った。
「ほなみ……俺、自分の事はなるべくやるようにするって決めたんだよ……だから、なんにもしないでゆっくりしてよ」
「ええ?……だって」
ほなみは祐樹にそう言われながら、早くも脱ぎっぱなしのシャツがリビングに何枚も重なり山になっているのを見つけた。
ランドリーボックスを手に拾おうとするほなみを、祐樹が後ろから羽交い締めにして止める。
「ダメだよ……ほなみは何もしないで」
「でも……」
「赤ちゃんが生まれたら、ほなみも忙しくなるだろ?だから、俺はほなみが大変にならないように自分の事は」
「……気持ちは嬉しいけど……でも、今散らかってるじゃない」
「今やるから」
「これぐらい私が」
「いや俺が」
「もうっ……」
二人はランドリーボックスを奪い合いながら言い合っていたが、どちらからともなく吹き出した。