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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
胸元に廻された祐樹の腕に力が込められ、ほなみは胸をときめかせた。
久し振りの二人だけの甘い時になるのだろうか――と期待と少しの不安に似た気持ちが胸の中に生まれる。
一緒に過ごせるのは嬉しいけれど、また離れる時の寂しさが予感されて、喉の奥が少し痛んだ。
(今こうして居るのにそんな事を考えるなんてバカみたい……)
ほなみは涙で盛り上がる目で祐樹を振り返る。
祐樹は吃驚して絶句するが、ほなみを抱き締めていた腕を降ろしてお腹をそっと擦ってきた。
「ほなみ……ひょっとして体調良くない?まさか……お腹がまた痛むとか?」
「う……ううん……違……違う」
祐樹の低く優しい声がほなみを愛しさで涙ぐませた。こんなに好きなのに、声を聞いただけで胸が踊って、姿を見れば頬が熱くなる程に焦がれているのに――なのに、何故離れていなければならないのだろう?
激情とも言える感情の大波がほなみに押し寄せていた。