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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
「――っ」
祐樹は喉元までせりあがる叫びを堪えて苦し気に顔を歪めた。
――欲しいか、だって?
そんな事を聞かなくたって分かるだろう?
俺の心全部が、身体じゅうが欲しがっているに決まってる。
可愛くて、大切で大切で、恋しくて堪らないほなみ。今こうして手が届く距離に居るのに、何故俺はこんな風に我慢している?
ほなみを滅茶苦茶にしそうで怖いから――?……いや……きっとそれだけじゃない。
底無しに愛してしまう事を俺は怖がっているのか?
ほなみに出会う前は、どの女の子に対しても本気にならなかった。本気で愛したところで、すぐに離れていってしまうのではないか――何処かでそう
思っていたから。
もしもほなみを失う事になったら、と想像するだけで、慟哭しそうになる程に自分の一部のようになってしまっているこの愛は、祐樹を幸福に微笑ませるだけでなく、時として大きな不安にも突き落とす。
――本当に、本当に、俺とずっと居てくれる?ほなみ……
我ながら愚かだが、何度もこう言ってほなみに確認したくなってしまう。