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らぶあど encore!
第27章 長い夜④
ほなみは、苦悶の表情を浮かべる祐樹に見惚れながら、彼が次に何を言うのかを待っていた。
――いつもなら、ステージで歌う様に流麗に恋の言葉をその涼やかな声で聴かせてくれるのに、今夜は何故か躊躇っているのね……
何も言わずに強く抱き締めてくれたら、私は素直に貴方の総てに溺れるのに――
祐樹は、深呼吸をしてから口を開き、またつぐんだ。
良く見れば、形の良い唇が震えている。激情を抑えているかのように。
ほなみは、彼の激情を受け止めたいと願った。思うまま、包み隠さずに全部ぶつけて欲しい――気持ちも欲望も……