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らぶあど encore!
第28章 クレッシェンド作戦会議
……もっともっと欲しいって泣いているようだよ……♪
「恋をさらって」がまだ部屋の中で鳴っている。
着信だと気付き、もうひとつ欠伸をしてベッドから降りてピアノの鍵盤の蓋の上のスマホを取った。
「……はい」
『はい、じゃあないぞ……寝惚けた声だな……』
「お前かよ……起きぬけにテンション下がるな」
綾波の声に祐樹には眉を寄せるが、壁の時計の時間を見て目を丸くし一気に目覚める。
11時半。
勿論夜の――ではない。昼の。
ヤバイ、と瞬間あせるが、よく考えればおかしい。いつも綾波はスケジュール通りに丁度いい時間に電話してきて祐樹を起こすのに。
ほなみと別居を初めてから、マネージャーから身を引いている筈の綾波が祐樹に毎日モーニングコールを寄越すのだ。
「やめてくれよ、自分で起きれるし」と祐樹が言ったが、結局はこのモーニングコールに助けられている。
綾波はなんだかんだ言って祐樹に甘く、過保護なのだ。