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第28章 クレッシェンド作戦会議

綾波の何かを言いたげな――でも聞いても多分答えないだろう――口元が気になり、ほなみの胸の中がざわめくが、祐樹はほなみの頭をポンと軽く叩き、安心させるように言う。




「まあ……亮介の穴はデカイけどさ、これは事故だし……俺ら不祥事で仕事を干されるとかじゃなんだから、大丈夫だって」

「大丈夫って、お前、どうするつもりだ……テレビやらラジオやらの出演も軒並み決まっているし、ツアーの予定もファンクラブには告知してあって、チケットの先行予約も既に終わっているぞ」



綾波は鋭い目を祐樹に向ける。



「ツアーは十月からだろ。亮介の怪我は全治一ヶ月だからなんとかなる」



祐樹は事も無げに言って肩を竦めたが、綾波の厳しい声が飛んだ。



「怪我が治った後、直ぐに今までのような演奏ができるようになると思うのか?一ヶ月の間、全く動かせないんだぞ」