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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい


(亮介君が居なくなったら……亮介君になにかあったら……私は正気でいられない)



やっと見付けた暖かい日溜まりの様な愛を離したくない。

だが、この愛の歓びに酔いしれるには不安材料が多すぎた。景子は皆を騙しているのだ。純粋にバンドのマネージメントをする目的で彼に近づいたのではないのだから。

史との約束はどうしたらよいのだろう。彼らと出会ったばかりの頃とは違って、景子は亮介を、皆の事を好きになっている。

皆が不幸になればいい――と思っていたのに、今では――

だが、洋平をこの手に取り戻すには、計画を成功させなければならない。

そして、綾波は今回の事で確実に景子を怪しんでいる。お人好しで細かい事を言わない岸会長とは違い、綾波はしつけられた虎のような鋭さを持った男だ。



(私は……どうするべきなのか……決めなければならない……)



景子は目の前の亮介の瞳を見詰め、邪気のない子供の様な輝きに胸をうたれて痛くなった。


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