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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「……看護師さんや先生にはまだ安静だって――」
速まる鼓動が収まらないまま、景子は諭す様に切り出すが、彼の目の輝きは、何を言われても引かない強さが宿っている。
景子の頬を指でなぞりながら、亮介は続けた。
「綾ちゃんには散々言われたよ。プロとしての自覚が足らないって。わかるんだよそれも……俺は自分だけの為に音楽をやってるんじゃない――高校の時から一緒に頑張ってきたメンバーに、応援してくれる家族にファン……
でも……俺はあの時、けーちゃんを放ってなんて置けなかったよ……勝手に身体が動いてた」
「――」
あの日、亮介が目の前で撥ね飛ばされた恐ろしい光景が蘇り、景子は震えた。亮介がそんな彼女をいとおしげに抱き締める。