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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい



「ご……ごめんなさい」

「ん?」

「……私がぼうっとしてたから……亮介君が……」

「その事はもう言わなくていいよ」

「無理よ……そんな」



どこまでも優しい亮介の言葉に景子は声を詰まらせる。

悔やんでも悔やんでも足りなかった。時間を巻き戻せたらいいのに。あの日――あの夜、何を考えて歩いていたのだろう?

史への黒い嫉妬が胸の中を渦巻いて、素直で純粋なほなみが心から羨ましくて――堪らなく情けなかった。



(私はこういう事をどれだけ繰り返したら気が済むんだろう?自分の弱さが原因で色んな人を傷付けて……
洋平と引き離されたのだって……私が寂しさに負けて史との関係を続けてしまったから……)




自分の中にぽっかり空いた穴を埋める為に史に依存していたのかも知れない、と今では思う。



(寂しいから人を好きになるなんて虚しいわ――)



景子は瞼を閉じ、過去の自分にそう聞かせたい気持ちになっていた。



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