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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「俺は寧ろラッキー……幸いだと思ってるよ」
「え……っ?」
亮介の指が景子の頬から後れ毛へ移動して指でくるくる巻いてくすぐったい。
「あの日、あのタイミングでけーちゃんに出くわしたんだよ?この大都会でさ……俺が偶然あの場所に居たからけーちゃんを助けられたんだぜ?」
「――」
「い――や、偶然じゃないな。これは運命じゃね?……俺とけーちゃんは、何とかの縄で縛られた運命の」
「赤い糸で結ばれた、でしょ」
「そう!そう!それを言いたかった!ハハハ」
屈託なく笑う彼に半分呆れながら、そうならどんなに良いだろうか、と思った。
いや、確かに運命なのかも知れない。景子の寂しさと史の黒い積年の恨みが引き寄せた彼らとの出会い、なのだから――
その運命はどんな結末を迎えるのか――