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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
景子の視界に、病室の白い天井、重力によって垂れる亮介の髪、いつもと同じ優しい大好きな彼の瞳が飛び込んでくる。
怪我をしている状態だというのに、こんなに自在に彼に翻弄されてしまうなんて、と驚き、同時に(もしもこれが普通の彼だったら私は今頃どうなっているの?)と思う。
そんな事は考えるまでもないだろう。
彼と過ごしたパーテイーの夜を思い出して、頬が染まっていく。
それに、景子は約束してしまったのだ。
アルバムがチャート一位を獲ったら、彼の物になると――
だが景子の心は今や完全に彼に奪われている。もう約束なんか関係なく、彼に全てを奪われてもいい。
景子は、亮介の瞳を何秒か見つめ返し、誘うかの様に瞼を閉じた。