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第29章 貴方の側に居たい

「俺さ、本当にけーちゃんに出会って良かったと思ってる」

「……え」



告白の言葉を考えあぐねていた景子に、思いもかけない言葉を亮介がかけた。

景子の背中をそっと撫でながら、静かに凪いだ瞳を向けて言う。




「第一印象はさ、はっきりいって最悪だったんだけど……」

「さ……最悪なのね」

「でも……怖そうに見えたけーちゃんだけど、本当は凄く頑張りやで、真面目で……で、やっぱり怖くて」

「……何でそこでまた怖いが出てくるのよ」

「怖いけど……実は凄くかわいくって」

「――っ」

「ほらっ照れた!……何気に照れ屋さんだよね?か――わいっ」

「もっもう……っ」

「それに、寂しがりやなところとか……色んなけーちゃんを知った」



亮介はそう言うと、景子の紅く染まった頬を指でつつく。