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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
付け焼き刃だという印象を持たれる事のないように、演奏技術も華も持ち合わせたプレーヤーを探す、というコンセプトらしいのだ。
人気のクレッシェンドがそんな企画を打ち出せば、短期間のうちに多数の応募はあるだろう。だが、実力のある演奏者でアマチュアで、尚且つ華のある――つまりステージにメンバーと一緒に並んで見劣りしない人間を見付けるというのは簡単な話ではない。
楽天的な亮介だが、流石に今回の案は心配になった。
亮介のそんな表情を見て綾波は言った。
『おい……もう一度いうが、あくまでも一時的な措置だぞ?アマチュアだけでなくプロのミュージシャンからも募る。
現役で活動しているプレーヤーだって構わない……ミュージシャンってのは、常に刺激を求めて居たいものだ。一つだけのバンドに留まらずに二つや三つとか掛け持ちして活動している奴も結構いるだろう?』
『そ……そうだけどさ……』
『そんな情けない顔をしてると期間限定の新メンバーにクレッシェのギターの座を奪われるぞ』
『ひっでー!鬼かよ祐樹……っ』