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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「……だ……だってっ……亮介君は……まるで……私の反応を見て遊んでるみたいじゃない……わ、私こんなに」
景子はしどろもどろになりながら、彼の腕の中に包まれる幸せに酔いながら言う。
「こんなに――何?」
「――っ!し……知らないっ」
信じられない気持ちだ。今まで、男性と深い仲になってもこんなむず痒い様な、柔らかくて焦れったい甘いひとときなど、知らずにいた。
今まで、街中でこんなやり取りをしているカップルを見掛けた日には景子は(ふん……バカップルってこういう奴等の事を言うのよね……公衆の面前でわきまえずに見苦しい……)と腹立たしく思っていた。
ところがどうだろう。今、亮介の胸の中で、甘ったるいやり取りを繰り返す自分――
まさか、こんな風になるなんて――
彼の前では涙ぐんだり拗ねたり、好き勝手にしている自分。そしてそれを受け止めてくれる亮介。
(……幸せ……)
胸の中に生まれたそんな気持ちに甘酸っぱくなる。