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らぶあど encore!
第29章 貴方の側に居たい
「あ――っ……ギブアップ――!」
突然亮介は叫び、景子の身体に全体重をかけるように被さった。
「きゃ……重」
「――ごめん」
気が付けば、亮介は額に汗を滲ませていた。
景子はハンカチでそっと汗を拭いながら笑った。
「そうよね……考えてみれば疲れるわよね、片手でそんな風に忙しく私を押し倒したり……色々……」
「けーちゃん……ごめん」
「いいってば」
「いや……本当にごめん……実はさ……俺、左手を自在に動かせるようになりたいんだよね」
「え?」
「……入院してる間……少しでも自分に出来ることってなにかなあ……と考えたらさ……怪我した右手をどうこうするのもいいんだけど……無事な方の左手を鍛えるのもいいのかなって」
「――つまりどういう事?」