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らぶあど encore!
第30章 密約




綾波はゆったりと座ると、景子にも座るように目線で促した。

景子は心臓をバクバク鳴らしながら畏まった態度で正座する。

綾波は眼鏡の奥の鋭い瞳を和らげて、口を開いた。



「毎日亮介の世話をありがとうな」

「は、はいっ……」



何を言われるのかびくついていた景子は、予想外の言葉に拍子抜けしそうだったが、岸会長がまだ来ていない事が気になり、壁の時計を再び見る。

綾波はそれを察したかのように言った。



「岸会長は急用で来れないそうだ」

「……っ」



という事は、二人きり――



その事実が何故かとても危うい物に思えて景子の背筋に寒気が走った。


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