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らぶあど encore!
第30章 密約
『……大丈夫?』
「う、うん……ごめ……」
溢れる涙を飲み込み苦し気に顔を歪める景子を、綾波は口の端を上げ、だが目は笑わないままで観察し、自分の乱れたシャツとネクタイを直す。
もう襲われる事はないのだろうか、と少し安堵するが、何しろまだ自分は裸同然の姿を彼の目の前で晒しているのだ。
況して弱味がある景子は、綾波が再びその気になって被さってきても逆らえない。
スマホを手にしながら、せめてブラウスだけでもちゃんと着ようとするが、指が震えて上手く出来ない。
そんな景子の状況を知らないほなみは、優しいアルトの声で語りかけた。
『あぐりとカナちゃんが、落ち着いたらまた女子会しようって、言ってるの……』
「――」
何か言葉で返したいのに、胸の中が喉が詰まって声が出ない。