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らぶあど encore!
第30章 密約
『……ありがとう、景子ちゃん』
ほなみの嬉しそうな声に景子の頬は緩んだが、綾波に不意に抱き寄せられて悲鳴が喉元まで出掛かった。
彼の手がスマホを景子から取りあげ、涼やかな声が景子の耳元で響く。
「……ほなみ、バンドの大事な局面だ……祐樹を頼むぞ」
『はいっ……綾波さん、景子ちゃんを叱らないでね?』
「あ?」
『西君もそれを心配してるの……でも……綾波さんは怖そうに見えて本当は凄く優しい事を私は知ってるから――』
「――」
綾波は、ほなみの言葉に眼鏡の奥の瞳を揺らした。