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らぶあど encore!
第30章 密約



綾波の長い睫毛がピクリと揺れ目尻が僅かに下がると、彼の口からはくつくつと低い声が漏れ、しまいには景子を離し腹を抱えて笑いだした。

景子は彼から目を離さないまま後退りし、脱がされて散らばっている服を急いで身に付けると、乱れた髪に指を通して整える。

纏められていた髪は美しい波になり、彼女をより艶やかに見せた。

景子は、まだ笑う綾波を見据え、直ぐにでも逃げ出せるように襖の真ん前に立ち、後ろ手に襖に手を掛けて女豹のような鋭い目で綾波を射抜く。




「私の事を調べて……クレッシェンドのマネージャーに相応しくないと判断するなら、クビにしてくれても結構です」

「ほう?」

「でも……私でなければ出来ないことがあります」



景子は、ガクガクと笑ってしまいそうな膝を必死で制御しながら言い放った。






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