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らぶあど encore!
第30章 密約
「……亮介君を……ミュージシャンとして……男として……より大きくする事……それから」
景子は、絡み付く綾波の鋭く皮肉な視線に負けてしまわぬように歯を食い縛り、息を吸い込んだ。
「ピンチヒッターのメンバーを……誰にも負けないような魅力的で実力のあるプレーヤーを……私が見付けてきます」
綾波は漸く笑い止み、腕を組み首を傾げる。
「プロアマ問わず全国から猛者達が挑んでくるぞ……既にプロミュージシャンが何人か名乗りをあげてきてるが……
彼等を凌ぐ逸材をお前が見付けてこれるのか?」
景子が拳を握り締め頷くと、綾波は愉快そうに口の端を上げて低く言った。
「そいつは楽しみだ……
言っておくが、臨時のメンバーは厳正にオーデイションで決める。下手な奴を連れて来てみろ……瞬殺だからな」
「わかってます」
「もしも、お前がそれだけの優れたプレーヤーを連れてきたならば……お前の経歴詐称の件はなかったことにしてやる……亮介との事も認めてやろう」
「……!」