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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「史……」
「はは……なんだろうな、なんか悪い物でも食ったのかな俺……」
史は景子の髪を指でくしゃくしゃにして、涙の残る目で笑う。
それは今まで見たことのない、子供のような笑顔だった。
景子は戸惑い乱された髪を直しもせずに史を見詰めて問う。
「……怒られるかと思ってた……それか、冷たく突き放されるかもって……」
(――まさか、泣くなんて……)
いつもの史の笑顔は、とても綺麗で、でも恐ろしさも感じてしまう悪魔的な魅力をたたえていたのだ。
目の前で大きな切れ長の瞳を何度も瞬きして笑う彼には、その面影が感じられなかった。