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らぶあど encore!
第31章 運命のメリーゴーラウンド
「私……尽くした分だけの愛情とか……いつか史が返してくれるって、思おうとしてた」
「……」
史の背中と肩が、深い溜め息と共に上下した。
景子は、静かに柔らかい声で語りかける。
「でもそんなの私の勝手なのよね。私は史の子供を妊娠したけれど、史とあんな風に別れてしまってからは連絡ひとつ取ってなかった……
それを、私の都合で父親になってほしいなんて……ごく普通の家庭を作りたいだなんて思うなんて……」
「景子――」
史は、絞り出すように一言漏らすが、苦しげだった。